ノウハウ

2014.10.17
    こんな会話がありました(購買部編)

    コンサルタント中山 和治

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    これまでのコンサルティング経験の中でお客様とやり取りをした、面白い話を例にとってみました。この中から皆様に何か感じ取っていただければ幸いです。

    今回は、購買部における発注と納期確認の話です。

    ここでは購買部長A氏と発注担当B氏との会話を例にあげます。

    私:発注業務で仕入先に対して納期を指定していますよね。それはどのように設定されているのですか?

    B氏:生産計画システムを使ってしっかり運用していますので、生産の必要性に合わせて納期を指定しています。

    私:なるほど、しかしこちらの生産計画に合わせて指定した納期はきちんと守られていますか?

    B氏:そうなんですよ、それがやはり問題で。本音をいうと生産計画の変更などにも柔軟に対応するために、1週間くらい前倒しで納期を指定しています。

    私:それにしても、納期が遅れることもあると思いますが、指定した納期に対して仕入先からYESやNOなどの回答はもらっていますか?

    B氏:ええ、それはもらうようにしています。

    私:具体的にどのようにもらっているのですか?

    B氏:メールです。個々の発注を送信した後、それぞれの発注に対して納期の回答を個々にメールでもらうことにしています。

    私:それでNOの場合はどうするのですか?

    B氏:NOの場合は、先方が都合のいい日程を送信してくるので、基本的にその日程に対してこちら側で問題がなければ、その発注伝票の指定納期を変更しています。

    私:なるほど。発注は何件くらいあるのですか? 今回の発注や前回までの発注残を含めるとけっこうなボリュームになると思いますが。

    B氏:そうですね。結構ありますね。3000 件くらいの発注残が常に存在していると思います。

    私:では1つ聞かせてください。
    ①その多くの発注のうち、指定納期通りのものと指定通りではないものの確認はできますか?
    ②また、これですと納期の回答をもらっているものと、もらえていないものの区別もおそらく確認でないのではないですか?

    B氏:そうですが。。。

    私:現状の問題点としては、次のことが言えると思います。
    ①まず、どの仕入先がこちらの希望納期に対して満足いくような日程で供給をしてくれているのかが分かりません。
    ②また回答が得られない場合もあるでしょうが、どれに対して督促をしていいのか分かり
    ません。おそらく納期の回答を督促するような業務を行っていないと思われます。
    ③次にメールでのやり取りでは、それらの情報が社内の生産セクションに伝わらないので、おそらく生産セクションでは、その発注物が実際いつ納入されるのかを購買部に電話で確認するしか方法がないと思いますよ。

    B氏:そうなんですよ。電話での問い合わせが多くて困っています。。。

    私:それではAさんへ質問ですが、以下のことについて答えていただけますか?
    ①納期の回答を瞬時にくれている仕入先はどこですか?
    ②こちらの希望通りの回答をしてくれる確立が高い仕入先はどこですか?
    ③回答した日程通り納入してこない仕入先はどこですか?
    上記の状況を数字で把握することは管理する立場として重要と思いますが、、

    A氏:そういった確認は、いま必要としていないのでわかりません。

    私:“購買部として必要ないから把握していない”ではなくて、こういった情報は生産セクションや、その先の出荷セクションに対して十分影響がある情報だと思いますので、この情報を常に把握できるようにすることは一つの改革ポイントだと思いますね。

    上記はある部品点数の非常に多い電子メーカーでのお話です。
    発注に対して回答をもらっているまではいいのですが、それをどのように活用するか、などがまだ有効ではない状態でした。

    サプライチェーンにおいて、情報を必要としているのはその部署だけではありません。

    調達業務の場合、こちらの希望通り合わせろという強引なプロセスのみを遂行しすぎると、後で大きなしっぺ返しが来ることもあります。

    例えば、無理な納期を押し付けて、仕入先は死ぬ思いでそれを遵守しようとしたが、納期前日になってごめんなさい、なんてことになりかねません。その結果痛い目に合うのはやはり発注している側ですから。また仕入先への無理の押し付けがコストダウンできない(単価が下がらない)要因かもしれませんね。

    それよりもその納期が無理な場合は、どのように変更すれば発注側、受注側のどちらにもダメージが無いのかを前もって検討できるシステムの方が建設的で、双方のモチベーションもあがるでしょう。

    会社の発注業務では仕入先と win-win の関係(お互いにダメージのない関係)を構築することが大切ですね

    コンサルタント中山 和治

    外資系タイヤメーカーで、機械/作業研究、在庫保管場所設計、カンバン製造方式設計、工場内物流設計をなど社内コンサルティング担当。その後物流部門にて、国内物流設計、営業所在庫配置基準設計を実施。1996年より外資系パッケージベンダにてSCMコンサルティングを実施。2006年4月:マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社を設立。取締役副社長に就任。