ノウハウ

2014.10.17
    企業情報システムの付加価値について

    コンサルタント中山 和治

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    しばらくお休みしておりました MPC コラムですが、今回より再スタートいたします。お手すきの際にご一読いただけると幸いです。

    今回のコラムは企業が個々の組織または企業全体を管理する上で、情報システムをどのように活用すべきか、あるいは付加価値のある企業情報システムとはどのようなものか、についてまとめてみました。

    情報システムの付加価値
    近年、内部統制や税法改定または IFRS などといったように、企業を取り巻く環境が変化する中で、それに対応すべく基幹システムを刷新する際に数億のコストが掛かるという話をよく耳にします。
    数億の見積もりがシステムベンダーから出されたとき、そのコストを費やすだけの情報システムに対する付加価値に確信がもてなくて、結局現行システムにまた手を加え、ちょっとした延命処置をしてその場を凌ぐ、といったことも目にします。

    数億コストが掛かる、ということを当然としたくありませんが、今回はそこではなく、情報システムに対する付加価値について触れ行きます。

    古い習慣では、人手が掛かる作業/処理を情報システムの利用によって効率化し、人手を減らすという定量効果に着眼点があったと思います。これ自体は現在も追及されているかと思いますが、ここのみの着眼点では高額な見積もりに対
    する付加価値を見出せないでしょう。

    ではそれ以外にどこに付加価値を見出すのか、MPC の考えでは見える化が大原則となります。

    ①見える化の源泉となるデータを生み出せる基幹情報システム
    見える化というと綺麗にまとめられたグラフや表をイメージするでしょうが、そもそもその源泉となるデータは基幹情報システムから得られるものです。つまり、付加価値のある情報を生み出すことが出来る情報システムであるかどうかが1つ目のポイントです。

    ②計画データと実績データの対比、および着地点の確認
    企業内の各組織および企業内全体の現在までの数字が、いい状態であるのか、悪い状態であるのかを、しっかり認識できなくてはいけません。
    その根源は計画に対して、どこまで進捗しているのか、またこのままで行くと目標の達成ができるのかどうか、というところがポイントとなるでしょう。
    これは情報から得るほか、方法がありません。

    ③問題を見極められる情報システム
    ②の計画と実績の対比の結果もひとつの問題点を見極めるポイントといえるでしょう。その他企業内の活動で情報から読み取れる問題点は沢山あります。
    たとえば、出荷指示が出ていなくてはいけない時期に出ていない、または生産が完了していなければならない時期に完了していないなど、遅れを察知するのも重要なポイントです。
    原価差異の発生要因を見極められるかどうかも別の観点で重要です。

    ④見るべき人が見るべき情報を見るべき時に把握できる情報システム
    情報システムには必要なデータが蓄積されているにもかかわらず、それが知らされていない、またはその手段を知らされていない、など情報システム内の情報が有効活用されていない場合が多くあると思います。
    有効活用するには、個々の情報に関する責任、つまり数字の責任者、またはその活動に関する責任者がその情報に責任を持ち、最終地点まで物が動いたか、数字があがったかなど真っ先に気にする企業習慣が必要でしょう。
    このように、情報システムの活用の仕方によって、企業管理の方法まで変革をもたらすことが可能になります。
    しかしながら、いくらいい情報システムを構築しても、それを使う人材側が単に電算システム(右から左へ処理をするためだけの道具)という見方から脱することが出来なければ、上記で示したような付加価値を見出すことはできません。

    現在、企業情報システムが組織へもたらす効力は単なる“作業効率”の向上による人員削減だけではありません。複雑化した企業活動、経営環境を一手に網羅し、見える化を実現し、人がこれを有効に活用することで、これまでは不可能
    だったエリアへ手の伸ばすことの出来るマネジメントへとシフトすることが付加価値となるのではないでしょか。

    次回はこれを有効活用するための人の付加価値行動について触れてみたいと思います

    コンサルタント中山 和治

    外資系タイヤメーカーで、機械/作業研究、在庫保管場所設計、カンバン製造方式設計、工場内物流設計をなど社内コンサルティング担当。その後物流部門にて、国内物流設計、営業所在庫配置基準設計を実施。1996年より外資系パッケージベンダにてSCMコンサルティングを実施。2006年4月:マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社を設立。取締役副社長に就任。