ノウハウ

2014.10.17
    業務システムのレベルと改善の方向について

    コンサルタント中山 和治

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    今回は製造業の業務システムの改善の方向性についてお話したいとおもいます。ものを作り上げる製造業は、その原価計算、在庫管理、品質管理などの範囲で、社会に対する責任感から内部統制までを含めて、近年ますますその業務システムの重要性が高まっているとおもいます。
    いまだに業務システムのことを作業効率を上げるためだけの便利な(贅沢な)ものと思われている方がいるとすれば、もはやその考えは捨てるべきでしょう。

    普段我々は様々な企業(製造業)とお付き合いする中で、その業務システムの位置づけ(システムの役割/貢献)に関して、以下にあげる3つのレベルに分かれていると感じます。

    ① 実績収集システム的なレベル
    ② オペレーションシステム的なレベル
    ③ マネージメントシステム的なレベル

    ①実績収集システムとは
    このレベルは大まかに言うと、実績収集をして月末に経営結果が集計できればOKというレベルです。
    実績は製造現場、経理、出荷、営業などで情報を入力されており、基本的に現状を認識するためのシステムになっていることが特徴です。また、経理的に月末はその情報を利用して、月次決算を行うデータ源になっているが、日常は管理職があまり見ることはなく、担当者のみ利用しているということが多く見られます。

    ゆえに毎日作業担当が作業を行ううえではなんら困ることはないが、他の部署や管理職のために情報提供する際には、結局その担当者に聞かないと、現状がわからないという非効率的な問題があります。

    ② オペレーションシステムとは
    間接部門が計画を立案し、それから指示(オーダー)が作成され、現場に作業を出力している状態です。現場はそれを信頼して、その通りに作業してゆけば、他との整合がとれる状態になるシステムレベルです。
    また現場での進捗状況もデータとして逐一報告されている状況です。データを使った形式で間接部門、計画部門、隣接部門などとコミュニケーションがとられていることがこのレベルといえます。
    ゆえに、何が多すぎる、どのオーダーが遅れている、誰を催促すればいいのかが分かりやすくなっている環境が得られます。

    ③マネジメントシステム ③マネジメントシステムとは
    マネジメントシステムとして運用されている最大のポイントは管理職のためのシステムであるかどうかです。実際にこのレベルで情報システムを活用している会社は希少です。
    当然ながら、①と②の状態は満たされていて、且つ管理職の責任を果たすための情報がシステムから得られる状態をさします。
    たとえば、年間計画がデータ化されており、毎月、毎日の計画がデータ化されており、実績もしっかり捕らえることができる、すなわち予算/計画/実績の対比が可能であるなどがひとつの例として考えられます。
    なんとなくマネジメントシステムは、企業の経営実績が多種多様なグラフで表せているイメージをもたれると思いますが、実績しか見えないグラフや表は経営管理という側面では、非常に心細いものです。
    今までがどうであって、今後の数字を確認できる環境がこのレベルといえます。

    さて、それでは②や③のレベルに達するためにはどのように改善していったらいいのでしょうか。

    まずは、情報システムの役割に期待する前に、その組織がどのような管理レベルになるのかを、描かなくてはなりません。
    下記にいくつかヒントになるものをあげましたので、参考にしていただければと思います。

    ■ 日々の基幹業務の予定を情報化することを徹底し、そのオーダーを他の組織と情報共有すること(生産計画、出荷予定、発注および仕入先からの納期回答など)
    これは一見地味なようですが、業務を遂行する意味では、仕事完了のコミットをすることなので、非常に大きな意味を持ちます。
    逆に言えば、隣接部門はその予定をあてにした予定が立てられるということになります。

    ■ 管理職の監視項目の中に「オーダー残を確認すること」を定める。
    まずは朝出勤して、自分の責任部署のその日のすべての仕事を確認できる管理職がどれだけいるでしょうか。もちろん、そのような環境を得られている方が、そもそもいないのかもしれませんが、それを必要だと思っている人も少ないのでは?
    このような環境においては、昼食にたつ前に、午前中どれだけの仕事が終わり、午後残っている作業がどれだけなのか分かる、ということになります。
    当然、帰宅する前にはその日の仕事をすべて終えられたこと、または、残ってしまっているとすれば、なぜなのかを確認できることになります。
    このレベルは一見当たり前の環境のように思えますが、結構ハードルが高いものです。
    リアルタイムで業務状況を情報化し、管理職は自己の責任範囲の仕事がリアルタイムで確認できるということが確立されているということになります。

    ■ 更に経営的な数字の進捗を確認し、月末までの目標に対して、現在どこまで出来ていて、後どの位の数字を達成しなければならないのか、を認識、報告できること。
    これにはいろいろな前提条件を満たす必要があり、かなりハードルは高いです。
    予算/計画とこれまでの実績が日々(リアルタイムで)比較できる環境を示しています。
    月末にならないとその月の数字が分からない、という環境でハンドリングしている経営者の方はこのような環境を必要としているのではないでしょうか。

    みなさんの会社の現状はどのレベルにあるか、今一度評価してみてはいかがでしょうか。
    次にステップアップするポイントが分かれば、改善の策が見えてくると思います。

    コンサルタント中山 和治

    外資系タイヤメーカーで、機械/作業研究、在庫保管場所設計、カンバン製造方式設計、工場内物流設計をなど社内コンサルティング担当。その後物流部門にて、国内物流設計、営業所在庫配置基準設計を実施。1996年より外資系パッケージベンダにてSCMコンサルティングを実施。2006年4月:マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社を設立。取締役副社長に就任。