ノウハウ

2015.12.15
    BIシステムの活用について

    コンサルタント中山 和治

    • Facebookでシェアする
    • Twitterでシェアする
    • LINEでシェアする
    • メールでシェアする

    今回はBIシステムの活用について意見を述べたいと思います。

    BI(ビジネス・インテリジェンス)システムは、一昔前にはデータウェアハウスシステムと言われていた業務データ分析ツールで、

    ・データウェアハウス=業務データを分析しやすい、理解しやすい情報に変換したDB
    ・ビジネスインテリジェンス=KPI などに代表されるように、業務の状況を反映させたコックピットのようなな表現が可能なレポーティング DB

    というようにツールとしても進化していると言えます。

    ただこのBIツールですが、大腕をふって導入効果があったと言い切れる事例は少ないようです。
    BIツール導入の期待効果を、現在のレポート作成時間を短縮させる、という局所的な事にフォーカスするならば、ある程度実現化したのでは、と想像します。が、その工数削減を目的としているだけでは少々投資の割には、寂しすぎますね。

    BIのレポートは先にも記述しましたが、ビジネスのコックピットをイメージしているので、きれいなグラフィックをいくつも画面に表示したり、信号を付けたりなど、見た目の派手さはいくらでも表現できるのでしょう。
    このBIシステムの活用,というより、もっと基本的に、業務データを活用するとはどのようなことなのでしょうか。

    ・制度の高い業務の分析
    ・意思決定を迅速に行うための情報提供
    ・スピーディーな業務分析

    などなど、漠然とした、もっともらしいフレーズがシステムベンダー様から聞こえてきます。

    私は業務分析という目的でBIシステムを使用することに異を唱えるわけではございません。ただ、そもそも業務分析とは何か、という点と、その後の意思決定とは何をイメージしているのかが、いま一つ理解できないのです。
    ※仕事がら業務分析は多々こなしていますが、BI を使って業務分析を行うという事がいま一つふに落ちないという事です。

    BIシステムから出力されるレポート形式はコックピット型にすれば、当然定型になる(ある程度切口を変えるくらいは柔軟でしょうが、)と思われます。
    これまで多くの業務分析の経験から“分析する ≠ 定型レポート”とイメージしてしまい、それゆえ、BI を使って業務分析を行うという“うたい文句”に、しっくりこないのです。ITベンダーのいう“業務分析”と、実際の業務分析に若干乖離があるのかもしれません。

    おおよそ、これまで聞き及んだ BI プロジェクトでは、

    => BI を使って分析レポートを作る。
    ―> だから業務部門から分析に使うレポートの要件をだしてもらう。
    -> 業務部門は分析??って言われても・・・となり、 これまで作成しているレポートをとりあえずBIシステムに乗せる。
    -> レポート作成時間に手間はかからなくなった。多少角度の違うレポートが作成でるようになった。この後は将来的に発展させればよい

    という構造により、これまでは大きな発展が得られていないことが多いと思われます。

    ではBIシステムをより効果的に活用するには、どうしたら良いのでしょうか。MPC 流の BI 活用において、その核となるものは、

    “善し/悪しの判断ができる情報をBIシステムから得る事”

    と考えております。
    業務状況に対して、上手く行っているのか、悪い状況になっているのか、組織の管理職はなかなか気が付かないですし、問題が起こってから報告を受けるのも嫌気がさしていると思います。

    そういう意味で、業務状況の写真をBIシステムによって撮る、もっと欲を言えば、ビデオにて、まさに業務の監視カメラの役割が果たせるようになれば BI システムの価値が上がるのではないかと考えます。

    どこに監視カメラを仕掛ければ、問題を見つけることができるのか、またどのような角度で物事を捉えればよいのか、このポイントを抑えればBIの有効活用の道が切り開けると考えます。

    その昔、こうゆう情報を業務側は見るべきである、とシステム部門主導で様々な表形式レポートやグラフを沢山作成したが、まったく活用されないBIシステムも見たことがあります。

    また、“見える化”ではなく、“見せる化”だと豪語していた情報システムの方がいました。やはり業務をしている組織の人は情報を見る習慣が無さすぎる、だからいやでも見せる様に仕向けてしまえばよい、という主張でしたが、それを実現する手段がなく頓挫していました。

    まずは、業務分析という漠然とした形ではなく、善し悪しの判断が付く情報を提供する、という目的をかざしてみてはいかがでしょうか。

    では、どうしたら善し悪しの判断が付くようになるか、そこにも知恵が必要ですね。

    コンサルタント中山 和治

    外資系タイヤメーカーで、機械/作業研究、在庫保管場所設計、カンバン製造方式設計、工場内物流設計をなど社内コンサルティング担当。その後物流部門にて、国内物流設計、営業所在庫配置基準設計を実施。1996年より外資系パッケージベンダにてSCMコンサルティングを実施。2006年4月:マネジメント・プロセス・コンサルティング株式会社を設立。取締役副社長に就任。